耳をふさがずに音楽を楽しめる“オープンイヤー型イヤホン”はここ数年で人気が高まり、多くのメーカーから登場しています。その中でも、音質に定評のあるJBLが手掛けたのが「Soundgear Clips」です。スケルトンデザインと軽量な装着感、そして迫力ある低音を両立したユニークな一台で、仕事や運動、リラックスタイムまで幅広く活躍してくれる存在です。
この記事では、JBL Soundgear Clipsの特徴や使用感を実際に試した体験をもとに詳しくレビューしていきます。イヤーカフ型イヤホンに興味がある方や、新しいリスニングスタイルを探している方に参考になれば嬉しいです。
JBL Soundgear Clipsの特徴とは？
スケルトンデザインと4色のカラーバリエーション
JBL Soundgear Clipsは、スケルトンデザインを取り入れたユニークな見た目が大きな魅力です。カラーはブラック、ホワイト、コッパー、そしてAmazon限定のパープルの4色展開となっており、ファッションやライフスタイルに合わせて選べる楽しさがあります。特にスケルトン部分は内部のパーツがほんのり透けて見えるため、機械好きやガジェット好きにとっては所有欲を満たしてくれるポイントになるでしょう。透明感のあるデザインは、懐かしいゲーム機や電子機器を連想させ、世代によっては「昔遊んだ機器を思い出す」というノスタルジーも感じられます。また、カラーバリエーションごとに雰囲気が異なるので、ビジネスシーンで使うなら落ち着いたブラックやホワイト、個性をアピールしたいならコッパーやパープルを選ぶといった楽しみ方も可能です。さらに、ケースのスケルトン仕様との統一感もあり、全体的に一体感のあるデザインに仕上がっています。
重量と装着感：片耳6.5gの軽さを体感
片耳わずか6.5gという軽さで、実際に着けてみると数字以上に軽く感じられます。装着した瞬間から耳に負担がかかりにくく、長時間着けていても重さをほとんど意識しません。耳に引っ掛けるだけのイヤーカフ型なので、カナル型やインイヤー型にありがちな圧迫感や密閉感もなく、着けていることを忘れてしまうほど自然な装着感です。さらに、柔軟性のあるTPU素材が耳に優しくフィットするため、軽いジョギングや家事など体を動かす場面でも安定して装着できます。耳の小さな人やメガネをかけている人でも快適に利用でき、誰にでも馴染みやすい設計になっています。
オープンイヤーならではの快適な装着感
耳をふさがないオープンイヤー構造は、外の音を聞きながら音楽を楽しめるのが特徴です。そのため、完全に音楽の世界に没頭するよりも、日常生活の中で安全性や利便性を重視したい人に向いています。例えばオフィスで使えば、同僚に声を掛けられてもすぐ反応できますし、自宅で家事をしながら音楽やポッドキャストを楽しむことも可能です。また、屋外でのランニングやウォーキングでは周囲の車や人の気配を感じられるため、安全性の面でも安心感があります。オフィスや自宅で周囲の状況を把握しながら使いたい人、さらに運動や外出時でも環境を意識しながら音楽を楽しみたい人にぴったりです。
IP54防水防塵と長時間使用の安心感
防水防塵規格IP54に対応しているため、日常の汗や小雨程度なら安心して使用できます。ジムで汗をかいたり、急なにわか雨に遭遇しても心配が少なく、屋外利用にも強い点が魅力です。加えて、内部まで水分やほこりが入りにくい設計になっているため、耐久性の面でも信頼できます。さらに、長時間の利用でも耳が痛くなりにくい柔らかい素材が使われており、装着時の違和感が少ないのもポイントです。素材はしなやかで肌への当たりも優しく、数時間装着していても快適さが続きます。普段使いはもちろん、スポーツやアウトドアでの長時間利用でも安心して使える構造です。
Bluetooth 5.4とマルチポイント接続でシームレス利用
Bluetooth 5.4に対応し、従来よりも安定した接続が可能です。電波干渉の多いオフィスやカフェでも途切れにくく、ストリーミング再生や通話中でも安心して使えます。さらに、マルチポイント機能により2台のデバイスに同時接続できるので、PCで動画を見ながらスマホでの着信にも即座に対応できます。この切り替えは非常にスムーズで、ボタン操作や再接続の手間が不要なため、ビジネス用途でもプライベートでも快適さが際立ちます。また、移動中にタブレットで映画を楽しみつつ、着信はスマホで受けるといった柔軟な使い方も可能で、日常のさまざまなシーンに対応できるのが大きな強みです。
11mmドライバー＋バスブーストで迫力ある低音
11mmドライバーと低音を強調するアルゴリズムにより、迫力あるサウンドを実現しています。このサイズのドライバーとしては非常にパワフルで、キックドラムの重みやベースラインの厚みがしっかり再現され、ライブ感を伴った音の広がりを感じることができます。オープンイヤーでありながら、低音がスカスカに感じることはなく、むしろボディのある響きが得られる点はJBLならではの強みです。中音域や高音域とのバランスも自然で、低音が強すぎて他の音をマスクすることも少なく、長時間聴いても疲れにくい音質設計になっています。音楽ジャンルを問わず安定感のあるサウンドを楽しめるため、普段使いから本格的なリスニングまで幅広く対応できるのが大きな魅力です。
JBL Soundgear Clipsの使用体験レビュー
音楽再生での実際の音質：低音・中音・高音のバランス
低音は厚みがあり、中高音は柔らかく広がる印象です。ベースやドラムの存在感がしっかりと感じられる一方で、中域ではギターやピアノの音色が心地よく響き、高域は透明感を保ちながら伸びやかに広がります。ボーカルも自然に楽曲に溶け込み、声が浮きすぎることなく全体と調和しているため、バランスの取れたリスニング体験が得られます。加えて、音場は広めで包み込まれるような感覚があり、ライブ音源を聴いたときには特に臨場感を強く感じられました。こうしたチューニングのおかげで、長時間聴いても疲れにくいバランスになっており、仕事中のBGMとしてもリラックスタイムの音楽鑑賞にも向いています。
音漏れと外音取り込みのリアルな使い心地
音漏れを軽減する「JBL OpenSoundテクノロジー」を搭載していますが、完全に防げるわけではありません。静かな場所ではボリュームを上げすぎると周囲に音が漏れてしまう可能性がありますが、通常の音量であれば大きな問題にはなりにくい印象です。その分、外音をしっかり聞けるので周囲との会話もスムーズにでき、オフィスでのちょっとしたやり取りや家庭内での声掛けにもすぐ反応できます。また、街中を歩いている時に自動車や自転車の接近に気づけるなど、安全面でもメリットがあります。音楽を聴きながらでも周囲の状況を自然に把握できる点は、オープンイヤー型の大きな強みといえるでしょう。
おすすめの音楽ジャンルと相性（POPS・ヒップホップ・藤井風など）
低音ビートが効いた洋楽POPSやヒップホップと相性抜群です。ビートの厚みとリズムの心地よさがしっかりと伝わり、ノリの良さを一層楽しめます。邦楽ではチルい楽曲もおすすめで、低めの男性ボーカルの深みを引き立て、声が埋もれることなく安定して再生されます。また、ゆったりとしたテンポのアコースティック曲やR&B系の楽曲とも相性がよく、耳に優しいマイルドな音質がボーカルの魅力をさらに際立たせてくれます。音楽ジャンルに幅広く対応できるため、ジャンルを選ばず日常のあらゆるシーンで心地よいサウンドを楽しめる点も大きな魅力です。
通話品質とマイク性能を検証
通話時はクリアに声を拾ってくれるため、在宅ワークやオンライン会議でも使いやすいです。相手側からも聞き取りやすいと評価されやすく、ビジネスシーンでの利用にも十分対応できます。ノイズが多い場所ではやや影響を受けることがありますが、それでも声が極端に埋もれることはなく、一定の明瞭さを保っています。また、マイク感度は適度で、風の強い屋外やカフェなどの雑音が多い環境でも声が届くレベルを維持してくれます。普段の電話はもちろん、オンライン授業やゲームでのボイスチャットなど幅広い場面に活用でき、日常使用には十分以上の性能と感じられます。
アプリ「JBL Headphones」でできる操作とカスタマイズ
専用アプリを使えば、イコライザーの調整やモード切り替えが簡単に行えます。プリセットのイコライザーだけでなく、自分好みに細かくカスタマイズできる点も魅力です。動画視聴用のモードや音楽再生用のモードを切り替えたり、タッチ操作の設定を変更したりと、幅広いカスタマイズが可能です。設定画面はわかりやすく、シンプルな構成なので迷うことはほとんどありません。初めてワイヤレスイヤホンを使う人でも迷わず操作できますし、普段から複数のデバイスを使い分けている人にとっても管理しやすい仕組みになっています。
充電とバッテリー持続時間：急速充電を含むリアル使用感
本体で最大8時間、ケースを合わせて最大32時間の利用が可能です。普段の通勤や在宅ワーク、さらには休日の外出などでもバッテリー切れを心配せずに使えるのは大きな安心感につながります。また、10分の急速充電で約3時間再生できるため、出かける直前に充電を忘れていたとしても短時間の充電で十分カバーできます。朝の準備中や休憩時間のちょっとした充電で一日中使えるケースも多く、忙しいときでも安心です。さらにUSB-C端子を採用しているため汎用性が高く、他のデバイスと充電ケーブルを共有できる点も利便性を高めています。
長時間使用での疲れにくさをチェック
6〜7時間連続で使っても耳が痛くなりにくく、在宅ワーク中にずっと装着していても快適でした。実際に午前から午後までほぼ一日使い続けても違和感が少なく、耳のまわりが痛くならないのは大きな利点です。軽量かつ柔らかい素材のおかげで締め付け感もなく、メガネをかけたままでも干渉が気になりにくい設計になっています。長時間の会議や集中作業の合間に音楽を流しても快適さが持続するので、ワークスタイルを問わず幅広い人におすすめできるポイントです。
利用シーン別レビュー
オフィスや在宅ワークでの使い勝手
周囲の会話や電話の呼びかけに気づけるので、仕事中にも違和感なく使えます。外さずに会話できるのは便利ですし、イヤホンを装着したまま同僚とちょっとした雑談をしたり、会議室に呼ばれた際にすぐ対応できるのも実用的です。また、外したり付け直したりする手間がないため作業の集中が途切れにくく、生産性の面でもプラスに働きます。さらに、音楽をBGMとして流しながらでも業務に支障が出にくいので、仕事環境を快適に整えるツールとして役立ちます。
通勤・電車内での実用性と注意点
騒がしい場所では音が聞こえづらく、音量を上げると音漏れが気になる場面もあります。そのため、静かなオフィスや自宅での利用には向いていますが、混雑した電車や人の多い環境ではやや不利に感じるかもしれません。特に電車内利用では注意が必要で、隣の人に音が漏れてしまう可能性があるため、ボリューム調整には配慮が求められます。場合によっては周囲の環境音と音楽が混ざって聞こえるため、集中して聴きたいときには少し物足りなさを感じることもあるでしょう。
スポーツ・ランニングでの安定感
軽量で耳にしっかり引っ掛けられるため、運動中も安定感があります。イヤーカフ型の構造は頭を大きく動かしてもズレにくく、ジョギングやジムでのトレーニング中も安心して装着できます。さらに、耳を圧迫しない柔らかい素材のおかげで長時間走っても痛くなりにくく、快適さが持続します。汗にも強いのでランニングのお供にもおすすめですし、屋外のウォーキングや自転車移動時でもしっかりフィットしてくれるので、アクティブなライフスタイルを送る人にとって心強い存在です。
自宅でのながら聴きに最適か？
料理や掃除をしながら音楽やポッドキャストを楽しめるので、自宅でのながら聴き用イヤホンとしても活躍します。さらに、洗濯物を畳んだり部屋の片付けをしているときでも自然に装着でき、作業をしながらリラックスした時間を過ごすのに役立ちます。テレビやスマートスピーカーを併用しなくても、自分だけの音環境を手軽に作れる点も魅力です。また、家族からの呼びかけやインターホンの音にもすぐ気づけるので、生活の中で安心して利用できるイヤホンといえるでしょう。
市場での位置付けと競合比較
イヤーカフ型 vs 骨伝導イヤホンの違い
骨伝導よりも音質は豊かで、低音から高音までしっかり楽しめるのがイヤーカフ型の強みです。オープンイヤーでありながら臨場感のあるサウンドを味わえるため、音楽リスニングをメインに考える人には大きなメリットとなります。ただし外音取り込みの自然さという点では骨伝導の方が優れており、周囲の環境音をよりクリアに感じられるのは骨伝導ならではの特徴です。そのため、音質を優先したい場合はイヤーカフ型、外音を自然に聞きながら安全性を高めたい場合は骨伝導といったように、目的によって選び分けるのが理想的といえるでしょう。
JBL Soundgear Clipsと他メーカー（Shokz・Soundcoreなど）の比較
他社のイヤーフック型や骨伝導イヤホンと比べると、バランスの良い音質と装着感の軽さが大きな特徴として挙げられます。特に低音の迫力は一歩リードしており、ビートが強調される楽曲やリズム感のある音楽ではその差がより顕著に感じられます。さらに、柔らかい装着感と軽さの組み合わせは長時間の使用でも疲れにくく、スポーツや日常利用のどちらにも適しています。他ブランドと比較したとき、サウンドの厚みと快適さの両立という点で優位性があるといえるでしょう。
価格帯ごとのおすすめ機種と選び方ガイド
1万円以下のイヤーカフ型と比べると、音質の厚みや快適さで優位性があります。特に低音の表現力や中高域のクリアさはワンランク上で、同価格帯の他モデルとの差を実感しやすいでしょう。また、軽量で痛くなりにくい装着感も大きな魅力で、長時間利用する人にとっては投資する価値があると感じられるはずです。さらに、マルチポイント接続やアプリでの細かいカスタマイズといった付加機能も備わっており、価格以上の満足度を得やすい製品です。初めてオープンイヤーを試す人にもおすすめできる価格帯でありながら、リスニング体験を一段上に引き上げてくれる存在といえるでしょう。
Amazonでの価格とお得な購入タイミング
セール時期には割引されることも多く、普段よりも大幅に安く手に入れられるチャンスがあります。さらにAmazon限定カラーも選べるため、デザイン面でも特別感を楽しめるのが嬉しいポイントです。プライムデーやブラックフライデー、年末年始のセールなどを狙えば、通常価格よりもかなりお得に購入できる可能性があります。購入するならこうしたタイミングを意識すると、コストパフォーマンスの面でも満足度の高い買い物につながるでしょう。
レビューから見るユーザーの評価とフィードバック
ユーザーからは「軽い」「快適」という声が多い一方で、「静かな環境向き」という意見も少なくありません。特にオフィスや自宅など落ち着いた場所での使用に高い評価が集まっていますが、通勤電車など騒がしいシーンでは音量調整に注意が必要だという声も聞かれます。また、音質と利便性の両方をバランスよく求める人に強く支持されており、仕事から日常のリスニングまで幅広い場面で満足度の高い製品といえるでしょう。
保証内容とアフターサービスの安心度
JBL製品は国内正規品であれば保証対応も安心で、修理や交換にもスムーズに対応してもらえるケースが多いです。購入後に不具合が起きてもサポート体制が整っているため、長く使いたい人にはこの点が大きな安心材料になります。さらに、販売店や購入サイトによっては延長保証や追加サービスを選べる場合もあり、より安心して使い続けられる環境が整っています。
まとめと今後の展望
こんな人におすすめ：利用シーン別の購入ガイド
・オフィスや在宅で快適に使いたい人
・周囲の音を聞きながら音楽を楽しみたい人
・ランニングやジムで軽快に使いたい人
・家事やリラックスタイムに「ながら聴き」を楽しみたい人
・オンライン会議や通話で快適に声を聞き取りたい人
逆に、電車など騒がしい場所でしっかり音楽を楽しみたい人や、遮音性を重視する人には不向きです。音に没頭したい場合はカナル型やオーバーイヤー型を選んだ方が満足度が高いでしょう。
筆者が感じたメリット・デメリットまとめ
メリット：軽さ、快適さ、低音の迫力、マルチポイント対応、アプリでの柔軟なカスタマイズ性、デザイン性の高さ、急速充電による利便性
デメリット：遮音性がない、音漏れの可能性、LDACなどの高音質コーデック非対応、電車内など騒音の多い環境では聴き取りにくい、ケースが片手で開けにくいといった使い勝手の課題
発売日から見るJBLのイヤーカフ戦略
Soundgear ClipsはJBLが展開する新しいスタイルのイヤホンとして、オープンイヤー市場を拡大させる存在です。そのデザイン性や機能性は単なる新製品という枠に収まらず、今後のJBL全体の戦略を象徴するモデルともいえます。既存のカナル型やオーバーイヤー型では満たせなかったニーズに応え、より幅広いユーザー層にアプローチできるようになった点は特筆すべきでしょう。さらに、JBLが積み重ねてきた音響技術を活かしつつ、日常生活の中に自然に溶け込むデバイスとして進化させていることから、ブランドの未来を切り拓くモデルとしても注目されています。
JBL Soundgear Senseとの違いと棲み分け
同じオープンイヤーでもSenseはイヤーフック型、Clipsはイヤーカフ型という違いがあります。Senseは耳に掛ける形で安定感があり、運動中の利用に強みがあります。一方でClipsは耳に引っ掛けるだけで装着でき、軽量で圧迫感が少なく長時間の装着でも快適さを保ちやすい特徴があります。装着感やデザインの好み、利用シーンに応じて選べる点も大きな魅力で、どちらもユーザーのライフスタイルに合わせて選択できる選択肢となっています。
今後期待できるアップデートや新モデルの可能性
今後は高音質コーデック対応やさらに小型化されたモデルが登場する可能性もあります。さらに、バッテリー持続時間の強化やノイズ処理技術の進化、装着感をより向上させる新しい素材の採用なども期待されます。オープンイヤーイヤホンの選択肢が広がることで、利用シーンに合わせた細やかな選び方ができるようになるでしょう。
